庭木、特にハイノキについて

  • 建物の外観も、それに合った庭も、流行り廃りがあり、最近は、すっきりとして、シンプルな形が多くなっているように思います。

その中で、家と庭のデザイン上の調和という観点だけでみると、庭の植木も枝葉の茂ったものよりも、爽やかなものが相性がいいと思っています。

上宗方パッシブモデルハウス 植栽 カマツカ(落葉)  ソヨゴ(常緑) ヘデラ等

ファサード側の庭の場合、シンボルツリーは株立ちで、葉が小さく爽やかなものを、建物の余白を残しながら、軽く添えるなど。

庭木の役割はデザインだけではなく、夏季の日射の遮蔽、夏季の庭の地面温度上昇の低減、目隠し、防風、収穫、癒し、などあります。

  • 先月庭に何本か庭木を植え込みました。雑木風の庭にしようと考え、アオダモ・ナツハゼ・ハイノキ・アズキナシなどを選定しました。今回植えたハイノキは、枝葉の繊細な軽い印象の樹形です。初夏に小さい白い花を咲かせます。

庭に植えたハイノキのひこばえの枝葉

 

  • 昔に比べると管理の手間や時間もなく、庭木を植えないという方が、多くなってきたように思います。庭木の管理を考えますと、管理がしやすい木というのは、おおよそ、
  • 常緑樹⇒落葉期に葉が落ちないので掃除が楽(通年少しつづ葉を落とす時期はあります。)
  • あまり大きくならない木 = 大がかりな剪定がいらない。省スペース。植え替え・伐採リスクが小さい。
  • 成長が遅いこと=頻繁に剪定する必要がありません

ですので、常緑樹であまり大きくならず、成長の遅い木を選ぶと管理がほとんどいらないわけです。

ハイノキは①②③を全て満たしています。

それでいて、小さな葉が、風にそよぐ感じの爽やかな樹形を求めていくと、

そんな木はほとんどないのではないかと思います。

落葉樹では、アオダモ、アオハダ、ナツハゼ、モミジ類 など爽やかな樹形の木々は多くありますが、

常緑樹ですと、茂った感じの木が多い印象です。

エゴノキやヤマボウシなども自生している落葉樹は、爽やかですが、常緑に品種改良したものもは、爽やかさに欠けます。

ソヨゴも茂ったものが多い印象です。

剪定のテクニックがあれば、イメージ通りに仕立てられるのか?それは木の生育上どうなのか?などは考えますが。

シマトネリコは樹形はとてもきれいで爽やかですが、成長が早く、大きくなってしまうので、後々の管理の手間があります。

オリーブなども同様です。

  • 繊細で手間いらずなハイノキですが、植え付け場所には注意が必要です。

成長が早く、大きくなる木は、強い日差しでを好むように思いますが、成長が遅くあまり大きくならない木というのは、

全般的に、半日影くらいがいいようです。

ハイノキも、日差しに強くありません。南の庭で猛暑の中一日中強い日差しに当たると葉枯れして弱ってしまいます。特に、 西日はNGとなります。むしろ、半日影や木によっては日影の方がいい場合もあります。

庭に植えたハイノキ 単木 3.3

 

  • インターネットでの樹木販売も盛んです。「ハイノキ」で検索すると、入荷の時 期である10月後半から11月前半や春先などはそれなりにヒットするかと思います。

庭木の調達には、山に入り自生している木を掘り取る「山採り」という方法と、

生産者の方が「苗木などから育てる」方法があります。

山採りの木は、幹や枝が曲がっていたり、自然の中で育ってきただけあって、独特な樹形をしたものが多い印象です。

爽やかな樹形を生む仕組みは、自然の山での水や栄養や日照の少なさにあると書いていることが多いです。

それほど大きくないハイノキは、高木の下の木漏れ日の中で育つしかない、日照が少ないため、枝葉が少なくなる、日照を求めて上えと伸びる性質が際立つことで、下枝を枯らしながら細く上に伸びたような爽やかな樹形に育っていくといった感じだったと思います。

省エネ体質が、華奢な立ち姿を生むようです。

山採りのハイノキは、独特な樹形と爽やかさを併せ持ちます。一方で、そんな環境で育っているわけですから、強い日差しには慣れていないのです。

 

  • 畑での生産については、単純には、小さな苗木の頃から平地などで、少し日の当たりやすい環境で育てており、日当たりがいい分、葉が多く少し茂ったような感じになるのではないかと思います。

また、環境は整っているため樹形は似通ってくると思います。あるいは、生産段階や、庭木屋さんの農場での仮植段階で、剪定などにより枝葉を抜いて丁寧に仕立てたかどうかで、樹形に差がでるかと思います。

一般に、山の木に比べ爽やかさには欠けるものの、葉が多い分、目隠しになるし、日照には比較的強いといわれます。

ハイノキだけでなく、その他の樹木においても言えることですが、同じ樹種でも、山で自生している木と、畑で育てられた木は、立ち姿としては、「全く別の木」と思っています。

八進緑産株式会社さんのインターネット販売サイト掲載写真

ハイノキ株立2.0

大福樹苗園さんのインターネット販売サイト掲載写真

ハイノキ株立1.5m

 

  • 植木屋さんなどに聞くとハイノキは九州だと、鹿児島や熊本には多いと言います。大分だと県南の佐伯市宇目町の鷹島屋神社付近で自生しているのを見に行ったことがあります。
  • そこでは、植樹された?杉かヒノキの高木の木漏れ日も届かない低層で灌木のような感じで、あまり上に伸長せず、低く横に広がったものが多くありました。上に伸びるのは無理だとあきらめた感じでしょうか。
  • また、雑木エリアでは日照も差し込み、3mくらいに伸びたものもありました。枝葉の伸び方の違いは生育環境を判別する上で、わかりやすい情報です。

また、幹肌の色にも日照条件の違いが影響すると思われます。鹿児島の国有林で契約をされている雑木苑さんから聞いた話では、ハイノキの茶色っぽい少し濃い幹肌のものと、白っぽい幹肌の色の違いは、おそらく日照の違いだろうと。

白っぽいものは、比較的日当たりのいいところに、茶色っぽい少し濃い幹肌のものは、日照がより少ない環境で育ったからではないかとおっしゃっていました。

同じハイノキでも、育った環境によって、樹形は全く異なったものになります。今回、私が庭に植えたハイノキは雑木苑さんが福岡の田主丸緑地さんに卸したものを農業で選びました。

大分では、ハイノキはほとんどおいておらず、注文取り寄せとなってしまうため、樹形を見て選ぶのが難しい状態です。

田主丸緑地さんは、農場が広大で、ハイノキを1000本程度仮植していると聞きました。すごいノウハウと管理体制だと思います。樹木を選ぶ際、樹形が見れるというのは、とてもありがたいことです。

  • 勝手にハイノキを樹形で分類

 

  • 山にはえていたハイノキで比較的日当たりがよく、下枝が少なく上に伸びたもの

・樹形が特徴的なので判別しやすい

・3m~5mと比較的大きなものもある。

・比較的日照を好むのではないかと勝手に思っています・

・幹肌が白っぽい

 

2.山にはえていたハイノキで比較的日当たりが悪く、株数が多く横に広がったもの

2-1.樹形が少し暴れたもの

2-2.樹形を整えるように手間暇かけたもの

・2m前後が多い印象

・幹肌は茶色っぽい少し濃い幹肌

・本株立ちで、株数が多いのではないかと予想

・日照に最も弱い

・目隠しにもよい

 

3.畑で生産されたハイノキ

3-1.樹形が少し暴れたもの

3-2.樹形を整えるように手間暇かけたもの

・2m以下の小さいものが多い印象

・単木からすぐ枝分かれして株立ち上のものが多いのではないかと予想

・日照に比較的強い

・目隠しにもよい

 

  • 同じハイノキでも生育環境の違いにより、それぞれ特徴が違うことに留意しながら、

基本的には半日影の環境への植え付け、根は浅く広がるため、水はけのよい土壌と、マルチングによる地面の保湿には配慮したい。庭のハイノキは西日は避けていますが、夏だと、朝から13時くらいまでは直射日光を受ける環境にあるため、初夏の日差しをみて、外付けのシェードをかける予定です。

木々や外付けのシェードは、夏季の日射遮蔽に有効です。

日射遮蔽は特に窓に対して特に有効ですが、どうせなら、シェードを大きく広げて、壁面自体に日射を当てないようにしようかと思います。温熱負荷の面では、外気温度差だけで言えば、冬の方が厳しいわけでして、夏の日射の影響の強さがうかがえます。

庭木で人気の高いアオダモですが、大分でも仮植したものが農場で見ることができます。関東エリアから山採りでの入荷が多いそうで、紅葉を待たずして葉を落としてしまっているものが多いです。

仮植状態から根がしっかりと張って根付けば、だいぶ改善されるのではないか?と勝手に思っています。山の木の自然な風合いと繊細さは、太陽光パネルの発電に適した大分の夏の日射とは相容れないように思います。

やはり、北側のファサードや、北庭・中庭などへの植え付けが基本路線になります。

庭と言えば南に設けたい。日当たりがよく明るい庭ということになります。南の庭で繊細さを表現するには、どうしたらいいものか。工夫を重ね、常に改善を図っていくしかありませんね。

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